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インタビュー特集

Vol.2 賀茂鶴酒造株式会社

”地元広島”にこだわり、地域と共に発展していく企業でありたい。

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賀茂鶴酒造株式会社

広島県東広島市西条に本社を置く日本酒メーカー。「品質第一」の社是のもと、酒造技術の研鑽に努め、地方の酒造メーカーながら日本の酒造業界をリード。首都圏を中心とした全国、またアジアを中心とした海外に営業エリアを展開し、安定した経営基盤を持つ。

http://www.kamotsuru.jp/

賀茂鶴酒造様のことを教えてください

賀茂鶴酒造株式会社
代表取締役社長 藤原 昭典氏

賀茂鶴酒造は東広島市西条に本社と生産工場を置く酒造メーカーです。弊社は1873年(明治6年)に酒銘を「賀茂鶴」と命名し、1918年(大正7年)に現在の「賀茂鶴酒造株式会社」として法人化しました。

弊社は、明治期から現在に至るまで、国内外の大会で数多くの高い評価を頂いております。1958年(昭和33年)に発売した「特製ゴールド賀茂鶴」は、いわゆる大吟醸酒の先駆けとなった商品で、弊社の酒造における技術力の高さを世に広めるきっかけとなりました。
賀茂鶴出身の杜氏を中心として発足した「日本酒造技術研究連盟」は50年の歴史を持ち、弊社が理事を務めています。
このように先人の努力をもって日本の酒造業界をリードし、高級酒というイメージを消費者の方々に持っていただいていておりますが、弊社は広島の地酒メーカーです。東京にも支社がありますので、拠点としての機能を今以上に有効に活用していきたいと考えています。

今後の展開を教えてください

弊社は企業規模をやみくもに拡大することは考えていません。その考えの背景には、基本的に日本酒とは「日本の食文化の重要な要素のひとつ」と考えていることにあります。酒造メーカーとしては小粒であっても、その食文化の一翼を担うものとして、品質の守られた商品を消費者に安定的に供給したい。そのため、あえて量は意識せず、確かな技術で質の高い日本酒を送り出すことに注力しています。もちろん、マーケットは常に意識していますが、堅実な経営を心掛けています。当面は現状の2~3割増の売上を目標としたいですね。

海外への展開はいかがですか?

弊社は既に明治期からハワイへ輸出をおこなっており、輸出の歴史は比較的長いです。海外マーケットはまだまだ拡大の余地はあると考えていますが、焦らず、着実にシェアを伸ばしていきたいと考えています。現在は中国、アメリカ、韓国、台湾、タイ等への輸出をおこなっており、今後、アジアを中心とした展開を考えています。現地代理店と良い関係を築き、温度管理を徹底するなどここでも日本酒の品質を保つ努力をしています。
ヨーロッパに関しては、日本酒に対する関心は高いのですが、まだまだ市場規模は小さく、営業展開をおこなうにはあらゆる面でコストもかかりすぎるため、経営的リスクも考慮し今のところ積極的な展開は考えていません。

広島本社の酒造メーカーとして大切にしていることはありますか?

地元・広島へのこだわりは大事にしたいと常々考えています。
かつて、日本の3大銘醸地(灘・京都・広島)として酒処・広島は有名でしたが、現在ではその地位を新潟へ譲り、生産量は全国第9位まで後退しています。生産量はともかくとして、かつての、酒処としての酒蔵通りの景観を地元とともに守り、酒文化を伝承することで、地域の観光振興のお手伝いをできればと考えています。そして、地域とともに発展していきたいと考えています。
また、広島へのこだわりという意味において、今後、酒造りに必要な酒米の全量を、広島県産のお米に変えていくつもりです。地元のお米、お水を使った酒造りをすることで、広島県産をアピールし、地元へ還元できればと思っています。
もうひとつ考えているのは、地元への営業強化です。首都圏へは、早くから進出しそれなりの成果を挙げていますが、逆に地元・広島に対する営業努力はまだまだ足りない面がありました。あらためて地元を大切にし、また地元からかわいがっていただける企業を目指したい。そういった意味でも今後は地域シェアを拡大していきたいと考えています。

中途採用者について、どんな人材を求めますか?

弊社が欲しい人材は「自分でものを考え、自分で判断し、自らリスクを取って行動できる人材」です。自ら考え、意見を言い、ものごとを変えたいと考える人材です。逆に言えば、そのような人材を受入れられる職場環境を作っていかなければならないと考えています。

求職者の方に向けてメッセージをお願いします。

『純米しぼりたて』のラベルデザインを担当した岡部さんと。『純米しぼりたて』は広報担当として転職した岡部さんの初仕事となった。

弊社の良いところは「自分で何かをやりたい」方にとって、チャレンジしやすい企業だということです。弊社の経営基盤は比較的しっかりとしており、社員の処遇や就業環境にも配慮しています。そのため、余計なプレッシャーや時間に追われることなく、本来の自分の仕事に集中して取り組むことができます。その中で「何か新しいことにチャレンジしよう」と個々が頑張れば、それを邪魔するような環境では決してありませんし、むしろそれを推奨しています。
学びたいことがある人には、研修等にも参加してもらっています。何かに取り組めばたしかに忙しくはなりますが、スキルを向上させる気概を持ち、「やりたいこと」をもって仕事に取り組む方には面白い企業だと思います。
また、酒造りをしたい方にとっても、弊社は昔ながらの手作りの製法と最新の製法を使っての酒造り等、「酒造りのすべて」が存在する職場ですので、酒造りに「想い」を持っている方にとっても、面白い会社だと思います。

※本記事は2017年2月時点での内容です。