栗本五十市商店は、父の栗本五十市が昭和21年に創業しました。創業当初は家族経営で、玖波特産の「玖波いりこ」や周防大島の「大島みかん」の行商をしていました。
私は21才の時に父の命を受け入社し、地元大手紡績会社の工場給食を担当していました。しかし工場の勤務者数は年々減少しており、工場給食自体の需要も減少していました。そのため、新規事業について常に思案していました。
そんな時、着目したのが病院や高齢者向けの福祉施設給食です。
「これからは生活習慣病を食事で治療する時代が来る」と考え、山口県は周防大島から下関、広島県は呉、三原、西城の病院や高齢者施設をくまなく訪問し、販路を拡大しました。その結果、現在では広島・山口両県で治療用食品のシェア90%を獲得するまでに成長しました。
また食事療法を必要とされる方に、管理栄養士が店長を務める直営店舗「いそいちショップ 十日市店」や、通販サイト「栗本五十市商店 オンラインショップ」にて直接販売を行ったり、山口県岩国市美和町に生産工場を立ち上げ、塩分やタンパク質を大幅にカットした独自ブランド商品の製造を行うなど、今後想定される超高齢化社会に対応すべく、日々努力しています。
Vol.6 株式会社栗本五十市商店
治療用食品のトップランナーとして、大竹市から世界を目指す。栗本五十市商店様のことを教えてください
栗本五十市商店
代表取締役 栗本 保男氏
今後、御社が目指されていることはなんですか?
近年、独自ブランドの商品は関東圏からの引き合いも増えているため、まずは東京に営業所を開設したいと考えています。治療用食品を必要とされる疾患をもたれる方は、日本や中国、台湾をはじめとする米食文化のASEAN圏に多くいらっしゃいますので、ゆくゆくはASEAN圏への進出も果たしたいですね。
また売上高50億円と、治療用食品メーカーとして東証2部上場を目指すことで、平均年齢35才と若い社員に夢を与え続けたいと考えています。
大竹市の企業として何か大切にされていることはありますか?
私は生まれも育ちも広島県大竹市ですので、故郷の大竹市には愛着を持っています。
大竹市は東洋経済新報社「住みよさランキング2018」の中国・四国地方で2位になるなど、住みやすい街です。
弊社近くの亀居公園には、大竹市出身の石本美由起氏の作詞家生活40周年を記念して作られた「詩の坂道」があり、「矢切の渡し」や「憧れのハワイ航路」などのヒット曲の歌碑を見ながらよくウォーキングをしています。他にも「蛇喰磐」など、大竹市にはウォーキングのスポットが沢山あります。故郷の良さは歩くとよくわかります(笑)。
これからも大竹市の誇りを胸に、栗本五十市商店を大竹市から全国に通用する企業とすべく、日々精進したいと考えています。
御社で働くにあたっての魅力はどんなところにありますか?
一般の食材卸売業と比べ、労働時間が短く、年間休日も多いと思います。社員には遅くまで仕事をせず、プライベートも大切にするよう日頃から伝えています。
労働環境の良さから、結婚後も仕事を続けたり、退職後に復職した社員もいます。また1時間以上かけて通勤している社員もいます。
さらに努力した社員は必ず評価し、報酬を出していくことで、やりがいを感じ取ってもらいたいと考えています。そのためか、明るく元気で真面目な人が多く、快活な職場の雰囲気となっています。
※本記事は2019年4月時点での内容です。
創業70年以上の歴史を持ち、業務用治療用食品の卸売と減塩・機能性食品の製造・販売を行っている。食慣習の変化による慢性疾患の増加、高齢化の進展による介護食の需要増加に、どこよりも早く着眼し、広島・山口・大分県の病院、福祉施設において絶大な取引シェアを誇る。
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